レンタルスペースの開業許可を取るには意外にもシンプルです。
「不動産が絡んでいるから大変そう…」って考えていませんか?
賃貸契約の手続きは必要ですが、引越しなどで賃貸物件を借りたことがある方であれば難しくとらえる必要はありません。
この記事では、レンタルスペースを4店舗運営する私が開業方法を詳しく紹介します。
レンタルスペースを開業するために必要な届出・許可
レンタルスペースを開業するために必要な届出・許可は、開業届くらいです。
事業として本格的に取り組むのであれば、所轄の税務署に事業開始の届出を提出する必要があります。副業でレンタルスペースを開始しようとお考えの方は、個人事業主として確定申告を行うことも忘れてはいけません。
まれではありますが、レンタルスペースで食事等のサービスを提供する場合は消防署や保健所の許可が必要です。
仮に食事を提供しない場合でも、天井まで届くような高さのパーテーションで部屋を区切り、レンタルスペースとして運用するなら消防法に基づく手続きが必要なケースもあります。
とは言え、レンタルスペースは他の事業よりも比較的開業しやすい事業だと言えます。
レンタルスペース開業までの流れ
レンタルスペースの開業は主に5ステップです。
- 物件探し
- 賃貸物件の契約
- コンセプトの決定
- 内装・物品の選定
- 開業届で許可の取得
他のサイトでは「レンタルスペースは3ステップで開業できる!」など、かなり大雑把に紹介されている場合があります。
ここでは実際に4店舗を運営する筆者が、実際の体験談を元にしながらレンタルスペースの開業方法を紹介します。
STEP1:物件探し
レンタルスペースを開業するには、物件を選ばないことには始まりません。
物件の前にコンセプトを決定すべきという声もあるかもしれませんが、物件・立地エリアは集客に大きく関わるので、なるべく良い物件を探すのが先決です。
引越しをしたことのある方であれば想像つくと思いますが、100%自分の好みにあった物件を探すのは至難の技です。
ただでさえ苦労する物件探しに条件を付けてしまうと(自分の決めたコンセプトにあった物件)、開業まで一向に進まない可能性があるでしょう。
そのため、私はまず物件探しから始めるのをおすすめしています。
物件の探し方
物件の探し方ですが、不動産の方に探してもらうのが一番早いでしょう。
不動産の方にレンタルスペースを開業したいとの旨を伝えれば、適した物件を探してくれます。
ここで注意点なのが、不動産の方には必ず「レンタルスペースを運営する旨」を伝えることです。
物件のオーナーさんによっては商業利用をNGとしている場合もあるためです。
後からトラブルにならないように、事前に伝えておきましょう。
STEP2:賃貸物件の契約
不動産の方に適した物件を探してもらえば、レンタルスペース開業のための賃貸物件を選びます。
レンタルスペースの内装は後々変えないといけないですから、物件選びの時点で外観や内装にこだわる必要はないでしょう。
物件選びから契約までで見るべきポイントを強いて挙げるとすれば、以下の通りです。
- アクセスの良さ
- 家賃の安さ
- 周辺環境
レンタルスペースは隣人トラブルも起こりやすいので、周辺環境には目を配りたいところです…
物件が決まれば不動産の方に従って手続きを済ませましょう。
STEP3:コンセプトの決定
どんなスペースにするか、どんな客層をターゲットにするかのコンセプトを決めます。
最初は想像しにくいと思うので、幅を広くとったコンセプトでもOKです。
レンタルスペースの場合、ターゲットを絞りすぎると逆に機会損失になる可能性もあるためです。
初心者はまずレンタルスペースの需要から見ていきましょう。
- パーティー
- 写真撮影
- 商品撮影
- コワーキングスペース/テレワーク
- 映画鑑賞
- デート などなど
上記が主な利用用途です。
ただ一口にパーティーと言っても、以下のような需要があります。
誕生日会、女子会、ママ会、歓送迎会、結婚式二次会、同窓会 など
女子会やママ会にも対応した部屋にするのであれば、コワーキングスペース/テレワークなどの需要には対応できないかもしれません。
ピンクのキラキラした部屋で、サラリーマンが会議をするのは考えにくいためです。
実際にレンタルスペースを運営しているので言えるのですが、最初は女性をターゲットにした幅広い需要に対応できるスペースにするのが良いかもしれません。
その上で集客方法を考えるのが賢明でしょう。
STEP4:設備・備品・家具の選定
コンセプトが決定すれば内装工事や設備・備品・家具の選定に取り掛かれます。
内装は業者に頼むのも良いですが、特別なブランディングをしない限りは自分で済ませられるでしょう。
規模感にもよりますが、ちょっと大きな引越しと捉えればOKです。
ちなみにレンタルスペースの物品は50万円くらいで揃えられます。
以下のnoteにはレンタルスペースの備品リストから開業後の集客方法まで詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
STEP5:開業届で許可の取得
レンタルスペースを開業するための許可といえば、開業届があります。
個人事業主と法人格では申請作業が異なるので、それぞれ紹介します。
個人事業主の場合
個人がレンタルスペースを開業する際は、所得税法第229条にもとづき「個人事業の開業届出」を管轄の税務署に提出する必要があります。
申請自体は簡単な手続きですが、事業開始から1ヶ月以内に申請を行いましょう。
提出期限を過ぎても処罰の対象とはなりませんが、年度末の確定申告時にデメリットが生じるためです。
事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出してください。
引用:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
提出先は納税地を所轄する税務署です。
法人格の場合
法人として既に事業を営んでいる場合は、開業届出は不要です。
しかし、定款の事業目的にレンタルスペースの運営や、それに類する項目がない場合は内容を更新する必要があります。
年度末には確定申告を行うのが義務なので、申告漏れ等がないように注意しましょう。
レンタルスペースの開業資金・調達方法
レンタルスペースの開業資金は、100万円あれば足りる場合がほとんどです。
必要な費用としては主に以下のものが挙げられます。
- 物件の初期費用
- 家具・家電
- 内装工事費用
- 広告宣伝費
自己資金で開業するのが理想ですが、どうしても足りない方は「融資」を組み合わせるのも良いでしょう。
新規事業者向けの融資は日本政策金融公庫が有名です。
他にも信用金庫や銀行などの創業向け融資制度もあります。
利息や返済期間などの条件を比較して、なるべく好条件な借入先を選びましょう。
レンタルスペースの開業はM&Aで時短もできる
ここまでは一からレンタルスペースを開業する方法について紹介してきました。
もちろんこだわりを持ってスペース開業するのは重要なのですが、以下のような方はM&Aという手段もあると知って欲しいです。
- とにかくすぐに開業したい
- 別事業があるためなるべく労力をかけたくない
- 事業を作るより、伸ばす方が得意
既に運営されているレンタルスペースを事業ごと買い取ってしまうのがM&Aです。
初心者からすればハードルが高く感じるかもしれませんが、売主によってはノウハウまで共有してくれる場合もあるので、一人で立ち上げるよりも安心できます。
物件選びや内装・物品選定の手間なく事業をスタートできるので、忙しい方こそ譲渡購入するのがおすすめです。
お買い得なレンタルスペースの見分け方
M&Aするなら少しでもお買い得なレンタルスペースを見つけたいですよね。
一般的には以下の情報の中から、お買い得か否かを見分ける必要があります。
- 掲載タイトル
- 売却希望価格
- 財務情報
- 案件概要やビジネスモデル
これらの情報を読み取りながら売主とヒアリングを重ね(Zoomでできます)、4つの判断軸を元にお買い得か否かを見分けます。
お買い得物件の見分け方・基準は、以下のnoteで詳しく解説しています。
私が数年かけて培ったレンタルスペースにまつわるM&Aのノウハウです。
500円(スタバのコーヒー1杯分)で読めるので、M&Aに興味がある方はご覧ください。
>>レンタルスペース譲渡購入の流れ。M&Aでお得物件を見極めるためのnote
弊社のM&Aに関する取材記事がTRANBIで公開されました。
取材記事では売主側の心境を語っていますが、上記のnoteでは買主側の視点で語っています。
→地方のレンタルスペースは勝機あり?!次々にスピンオフ事業を生み出すアイデアマン経営者
レンタルスペースのM&Aができるサイト
レンタルスペースのM&Aができるサイトでおすすめなのは、TRANBIです。
M&Aプラットフォームサイトランキングで総合第1位(2022年度)に輝いています。
マッチングプラットフォームなので、間に仲介会社やM&Aアドバイザーが入りません。
月額費用が4,378円ほどかかりますが、手数料が抜かれないうえに相手が見つかればすぐに交渉をはじめられます。
案件を見るだけなら無料なので、早速チェックしてみてください。
レンタルスペースの開業方法でよくある質問
最後にレンタルスペースの開業方法でよくある質問をまとめます。
レンタルスペースは儲からないって本当?
- レンタルスペースは儲からないって本当?
-
レンタルスペースが儲からないのは半分本当で半分嘘です。
1店舗だけの運営であれば大きな儲けは生まれない場合が多いため、儲からないと言われます。
しかし複数店舗を上手に運営すれば、かなりの儲けを出すのも可能です。
レンタルスペースで儲けるためのテクニックは、こちらで解説しています。
レンタルスペースの開業までどのくらいの時間がかかる?
- レンタルスペースの開業までどのくらいの時間がかかる?
-
一から自分でレンタルスペースを開業するとなれば、早くても3〜4ヶ月かかるでしょう。
不動産契約が必要なうえに、物品の選定・準備などで時間がかかります。
しかしM&Aなら最短2ヶ月ほどで開業が可能です。
M&Aを検討しているなら、以下のnoteが役に立ちます。
レンタルスペースの開業資金はいくらくらい?
- レンタルスペースの開業資金はいくらくらい?
-
レンタルスペースの開業資金は、物品だけだと50万円くらいです。
上記の金額に加えて、物件の初期費用が必要なイメージです。
100万円以下で気軽に始められるビジネスなので、個人の副業にもピッタリですよ。
効率良く買い物するための物品リストはこちらで確認できます。
まとめ:レンタルスペースの開業で押さえるべきポイントは…
レンタルスペースを含めたシェアリングエコノミーは、昨今市場を伸ばしつつあります。
一般社団法人シェアリングエコノミー協会の発表によると、シェアエコノミーの市場規模は、2030年には11兆1,275億円に達する見込み(現在のスーパーやコンビニ相当)とのことです。
そのうえ「専門知識なし・初期費用が100万円以下」と、初心者が始める事業としてはピッタリ!
レンタルスペース開業で右も左もわからないという方でも、まずは以下の点を押さえていればOKです。
- なるべくアクセスの良い物件を選ぶ
- 女性をターゲットにする
- 集客はレンパンダに相談する
物件は立地が極めて重要です。都心であれば駅近、地方であれば近隣に駐車場がある物件を選びましょう。
ここまで長々と解説してきましたが、レンタルスペース開業までの手順は下準備です。
開業後にも集客や運営など、さまざまな課題があります。
当サービス「レンパンダ」では、レンタルスペースのオーナー様に向けたお手伝いをしております。
Twitterでは常に無料相談を実施中なので、お気軽にお問い合わせください!
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